2021年6月13日:ブレイクアウトトレード手法 BOSSの販売を開始しました。詳しくはここをクリック!

プロップファームのトレーダー時代

私がかつてプロップファームで雇われてトレードしていた時の話を書いてみたいと思います。

プロップファームとは

プロップファーム」(Proprietary Trading Firmの 略)とは、広義には、自己の資金のみを自己の利益のために運用するディーリングの専門会社を意味する。 プロのディーラー(トレーダー)が自己勘定の売買を繰り返すことで収益を上げている。

米国の株式取引市場におけるプロップファームの影響力

まずプロップファームとは”基本的には”上で引用した様な形態の会社組織です。

ネットでプロップファームを検索してみると昨今様々な情報が出てきますが、一概にこうであるという杓子定規な定義づけは難しい様に思います。

会社組織ですから細かな点は各組織での取り決めに依存していますので、そういう意味では厳密な定義づけというのはそもそも無理があるなと感じています。

ただしいくつかの共通項は存在します。

  1. 自己資金でのみ売買する
  2. 原則取引は個々のトレーダーの自由裁量
  3. 収支に応じた歩合給が発生する

大きくはこの3つでしょうか。これを満たしている会社組織は即ちプロップファームだと言えます。

運用額の大小、トレーダー個人の資産の持ち込み、アルゴリズム取引などなどこうした細かい点は先にも書いた様に各プロップファームでの取り決めに依存します。

例えば私が会社を設立し、売買用資金としていくらかのお金を用意した上でトレーダーを集めてディールさせればそれはもうプロップファームです。或いはトレーダーを集めずとも、私が一人でトレードしていたとしてもプロップファームと言えるでしょう。トレーダーは何名以上!と言った決め事はないので、一人社長が黙々とトレードしていても要件は満たしています。

そしてプロップファームでは「今月は利回りベースでいくら稼いだか?」しか見られません。究極の成果至上主義です。

無駄なミーティング、得意先の接待、上司や部下との付き合いと言った一般的な会社組織にありがちなめんどくさい要素は皆無です。

なので腕の立つトレーダーにとってこれ程に働きやすい環境は他にないと言っても過言ではありません。

ただしそこは諸刃の剣。

成果至上主義が故に、成果を出せないトレーダーは否応なく首切りの対象になります。

毎月どれだけのリターン(利回り)を上げたのか?

本当にこれだけでしか語られない会社組織。それがプロップファームです。

どんな売買をどんなボリュームでやろうが全て自由。ただひたすらに月単位四半期単位半期単位年度単位でリターンを出し続けるだけの仕事。一定期間リターンを出せない状態が続けばスゴスゴと私物をまとめてサヨウナラの職場環境。

エキサイティングだと思いませんか?

実際エキサイティングですし、私が入社したプロップファームは中でもかなりエキサイティングな組織でした。

前置きが長くなりましたが今日はそんなお話を書いてみたいと思います。

プロップファームに誘われる

プロフィールページにも書いていますが、専業トレーダー時代にプロップファームに誘われました。

当時はプロップファームについてもよく知らず、「トレードして収益上げればいいんでしょ?」ぐらいにしか考えていなかったので誘われた時は専業トレーダー生活に飽き飽きしていたのもあって二つ返事で快諾。

この時「入社します!」と即答した決断が、後の私のトレーダーとしてのスタンスや考え方を大きく変える事になるとも知らずに。

私が入社したプロップファームはこんな会社

私が入社したプロップファームは覚えている限りざっくりこんな感じの待遇でした。

  1. 最低支給額は月額20万円+歩合
  2. 歩合は月間リターンの5%~30%(運用額や勤続で変動)
  3. ノルマ達成ボーナス別途支給
  4. 各種保険完備
  5. 土日祝休み(100%カレンダー通り)
  6. 有給は年間20~60日
  7. 出勤するしないは自由

とまぁこんな感じだったように思います。

私が在籍していたプロップファームはちょっと特殊で、某資産家の個人資産約1000億円を運用して増やすためだけに作られたプロップファームでした。そして一定のリターンを出しているトレーダー(社員)へのばら撒きが非常に多かったです。

おもむろにチョコ1枚とかレンガ1個の臨時ボーナスなんかも結構あったり。マイバッハ貰ってた同僚も居ましたっけ。

肝心の業務内容は当然トレードです。「成果に見合った給料払うから、私のお金を増やしてね♪」というわかりやすさ。成果を出せるトレーダーには高額な歩合が約束されているので正にパラダイスと言えるお仕事です。

プロップファームでトレードするという事

基本的に取引する市場はトレーダー個人の自由裁量です。そして銘柄も自由。時間軸や手法といった細かいところまで全て自由にできます。

会社の運用資金約1000億円は常時在籍していた20名程のトレーダーに、個々のパフォーマンスに応じた金額が割り当てられます。当然といえば当然ですが素晴らしいリターンを叩き出し”続けている”トレーダーにはまとまった資金が割り当てられますし、そうではないトレーダーにはしょぼい金額しか割り当てられません。

入社すぐの私に用意された証拠金は「じゃとりあえずこれでやって」と約1億円でした。年利80%台をまぐれで叩き出した私は入社わずか1年後に130億円程を任される事になります。

当時この1000億円の割り振りを含めプロップファームを取り仕切っていたのが”社長”と呼ばれる人物。このプロップファームを創業した資産家がオーナーで、この社長は雇われ社長です。そしてあまり接点がなかったのでどういった人なのか知りませんが、金融商品に対する知識が豊富で同僚曰く「かつて日本株でブイブイいわせていた人」らしいです。

どんな市場のどんな銘柄でどんな手法でトレードするのも自由ですが、毎月課せられるノルマは+5%。

私がたまにブログで書いていますがプロの現場ではpipsで物事が語られる事は皆無です。「今月の獲得pipsは●●pips!」なんて話は一切出てきません。全て利回りのみで判断されます。

しかし130億円の運用ともなるとFXだけではまかないきれません。枚数の話ではなく「運用額10億円以上では必ずヘッジをすること」という絶対条件があったので、上がる下がるに賭けるだけのFXでは最大でも10億円しか使えないという事です。

必然的にここで”ヘッジの為のトレード”を覚える必然性が生じ、CFDを始め通貨や先物のオプション、債権や外国株など幅広い市場でヘッジの為のトレードという考え方と方法論を身に着けました。プロップファーム時代に培った技術や経験は今現在のトレードでも大いに役立っています。

余談ですが、当時の同僚や先輩にはかなり凄腕のトレーダーが多数在籍していました。某銀行のディーリング部門で十数年に渡る無敗記録を叩き出した一目均衡表の使い手や、香港ヘッジファンド界で”巨人”とあだ名されていた元ディーラーさん、大学在学中から月間8桁を稼ぎそのままドロップアウトしたスキャルパー、イラン人の天才数学者などなど・・・学歴職歴国籍も様々で「一体この人をどこで見つけてきたんだ?」と思わせる人材ラインナップです。

ただしプロップファームは100%実力世界。肩書がすごくてもパフォーマンスが振るわない人はガンガン切られていきました。

同僚は20名ほど居ましたが、FXメインは私を含めて5名居るか居ないかぐらいだったかと。日本株と商品先物が圧倒的に多かったです。

更に言うとFXメインのトレーダーでメタトレーダーを使っているのは私だけでした。めいめい使いやすいチャートを使っていたんだとは思いますが、テクニカルトレード派ばかりなはずなのにチャートに表示させているのは皆せいぜいが移動平均線ぐらいで(1人だけ一目均衡表)、オシレーターやらそういった物を使ってる人は1人も居ませんでした。何なら板だけでトレードしている人も。

全体の中でスキャルピングは1人だけでしたが、運用額が大きくなると途端に勝てなくなって早々にクビになりました。残りはデイトレが半数ぐらいで後の半分はポジショントレードかスウィングトレード。オプションメインの人なんかだと3ヶ月ぐらいチャートは見ていても取引せず・・・なんて人も居ました。3ヶ月じっと何かをまち続けて「今だ!」という局面で玉を建て年利で20%以上を抜いていくという、よくわからない職人トレーダーですね(笑)

因みに私は先程書いたように2年目で運用額が130億円になり、その年度が終わる頃には利回りベースで60%程の成績を出して成績はトップに。「じゃぁ3年目は更に増額してもらって」なんて話も出ていた矢先に、社長の使い込みが発覚して当然それが大きな問題となり、実質的にそのプロップファームは解散する事になりました。

あの時会社の解散がなければ、今も私はこのプロップファームでトレードしていたのでしょうか・・・

まとめ

プロップファーム在籍時代には沢山学ばせてもらいました。

特にリスクについての考え方やヘッジの大切さ。表向きは上がるか下がるかだけに賭けている様に見えても、その他金融商品を使ったヘッジでリスクを低減させる術。確率論。統計学などなど・・・どちらかと言うと相場で稼ぐ技術と言うよりも、如何に資金を守るか?についての学びが多かった様に思います。それとは別に、同僚から彼らのトレード手法を教えてもらったこともありますけど(笑)

もしプロップファームに興味があったり就職してみたいって方は、トレーダーが複数人在籍している会社がオススメです。学びの量が違いますから。そして自身は少額しか任されなかったとしても同僚が大きな金額を運用しているならそれもまた学びが多いので良いと思います。

学びが多いと刺激にもなりますし自己研鑽にもつながりますからね。

今日本に何社ぐらいプロップファームがあるのか知りませんが、昨今の時勢を鑑みると増えてきているんじゃないかなと思います。でもその殆どが社長1人だったり、或いは何名かの有志が資金を持ち寄っての運用とかそういうスタイルが多そうですよね。そして給料はなくて完全歩合制だったり。

何にせよ、もしプロップファームでトレードしたい!という方ならば、できるだけ規模の大きいところを探しましょう。