kantan_CBRATIOインジケーターの概要
WTI原油とBRENT原油の価格比率(WTI ÷ Brent)をサブチャートに表示するMT4専用のインジケーターです。

チャートに表示するとこの様に1本のラインでratioを表示します。
これにより何がわかるかと言うと、値が高いほど「WTIがBrentに比べて割高」、値が低いほど「WTIがBrentに比べて割安」と判断できます。

各原油のシンボルはお使いの証券会社で異なる場合が多いので、適宜上図の様に”値”の欄を変更してください。
kantan_CBRATIOインジケーターの使い方
価格の比率を用いたトレード方法として代表的なのは「WTI/Brent のスプレッドを狙ったトレード」です。
- 比率が高い →「WTIが割高」なのでWTI売り/Brent買いのペアトレードを検討する
- 比率が低い →「WTIが割安」なので、WTI買い/Brent売りのペアトレードを検討する
と言うのがメジャーなトレード方法です。
原油指標としてはWTIとBrentが代表的ですが市場の需給バランスやニュースによってどちらか一方だけが大きく動くことがあります。そういった際に比率が大きく変動するのでそこを狙うと言った感じでしょうか。言わば二つの原油銘柄を使ったペアトレードで役立ちます。
注意しなければいけないのはあくまでもペアトレード向けでありアービトラージではないと言う点。
ペアトレードとアービトラージとの違い
ペアトレードは広義ではアービトラージ(裁定取引)と呼ばれることもありますが、厳密には“完全な無リスク”を目指すアービトラージとは少々異なります。ペアトレードはふたつの銘柄(この場合WTIとBrent)の価格が歴史的な乖離(割高・割安)から平常値に戻ることを期待して仕掛ける相対取引という位置づけです。
ペアトレード(統計的アービトラージ)
- 二つの銘柄の価格がある一定の相関関係や平均回帰性を持つと想定し、相対的な割高・割安を利用して同時に買いと売りを行う
- 理想的にはリスクを抑えつつ利益を得ることを目指しますが、価格差が一時的に拡大したまま戻らないリスクもあるため無リスクではない
- 多くの場合「統計的アービトラージ」と呼ばれ純粋な無リスクのアービトラージとは区別される
アービトラージ(裁定取引)
- 金融商品の価格差を瞬間的に利用して“完全に無リスク”で利益を上げる行為(理論的には必ず利益が出る取引)を指す
- 同じ原資産が異なる市場・条件で取引されているときに、割安市場で買い割高市場で同時に売ることで確定している利幅を得るようなケースを指す
価格差や比率を使うトレードをなんでもかんでもアービトラージと呼ぶ人もいるようですが、リスクの有無やアプローチが決定的に異なるのでこれらは厳密に区別されています。因みに”無リスク”を謳うアービトラージですが、かつて金融界の天才やレジェンドたちが集い正にドリームチームだと賞賛された巨大ヘッジファンドのLTCMは、アービトラージ戦略を用いてわずか4年で破綻しました。
余談ですがペアトレードをスプレッド取引と混同している方もいるようですが、これも微妙にニュアンスが異なります。
ペアトレードとスプレッド取引との違い
ペアトレード
取引対象
- 株式(同業種の2つの銘柄)やETF、CFDなど幅広い金融商品
- 殆どの場合で二つの銘柄が高い相関関係を持っていることが前提
目的と特徴
- 統計的アービトラージの一種として2銘柄の価格差や比率が平均的な水準に回帰することを期待して売買
- 価格差が拡大或いは縮小するリスクがあるので必ずしも無リスクではないが、相関の高さを利用することでリスクを抑えた取引を行う
スプレッド取引
取引対象
- 同じ銘柄の異なる限月(原油先物の近月と遠月など)を買いと売りで組み合わせるカレンダースプレッド
- 同じ業種または関連する商品(WTI原油とブレント原油など)を組み合わせる インターコモディティスプレッド
目的と特徴
- 値動きのボラティリティを抑える目的が大きい
- 同じ商品の限月違いや高い相関を持つ商品同士を対象にするため、単純な片張より価格変動リスクが小さくなる
- 需給や季節要因を利用した戦略で異なる限月や商品間の需給バランスの変化を見込む場合が多い
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